歯髄温存療法⑬
- 2024年9月18日
- 虫歯治療
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。
昨日は敬老の日で祝日だったため横浜みなとみらいにいってきました。海沿いでおしゃれな街ではあるのですが住宅街ではないので何となく落ち着かないんですよね。昼間は人が多いのですが何となく寂しい感じがするのです。私が東京の多摩方面育ちだからでしょうかね。箱ものに囲まれた場所は落ち着かないのです。共感できる人いますかね。
さて本日のブログは歯髄温存療法の13回目です。MTAセメントの特徴について解説しているのですが今日は生体親和性について書きたいと思います。
生体親和性とは人体にとって優しいか否かってことなのですが、そもそも現在では生体親和性の悪い材料を口腔内に使うことはないのですが、以前は発がん性の疑いがある水銀含有のアマルガムや銀合金等アレルギーを誘発しやすい材料が使われていました。その時代は掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という皮膚科疾患がまれではありますが歯科材料が原因で発生していました。現在でも歯科材料として使われる金属で金属アレルギーを起こすケースは0ではないのですが昔より減っています。メタルフリーの治療が進んでいるのと歯科医師と患者さんの意識も変わってきているのだと思います。
私はメタルフリー治療が必ずしも最良だとは考えていないです。被せ物ではセラミックス材料と白金加金系材料を適材適所で使い分けております。被せ物の話はまた別の機会に解説したいと思います。
話を戻しますがMTAセメントは覆髄時には強アルカリ性で殺菌効果を発揮し経時的に中性になります。歯質や歯周組織に無害な状態になります。これがMTAセメントのいいところです。次亜塩素酸ナトリウムみたいに殺菌効果は高くても有機質を溶解しちゃうような材料では困りますからね。細かいことを言うと次亜塩素酸ナトリウムも酸素に触れると徐々に㏗が下がっていくのでいつまでも強アルカリってわけでもないようですが。
ただMTAセメントも過敏症を起こす人はまれではありますがいますので、MTAセメントで直接覆髄法を行って周辺組織に異常が出るようであればMTAセメントを除去しなければならないかもしれません。
以前のブログでも書きましたがMTAセメントはコンクリートのポートランドセメントと本質は同じです。私は高校生の時に建設現場で設備屋のバイトをしていた時期がありました。設備屋とは水道設備の職人です。もちろん高校生の私は何もできないので親方の助手として働かせてもらっていました。その時は毎日のようにポートランドセメントと砂利石を混ぜ合わせたモルタルを練っていたのでポートランドセメントには馴染みがあります。モルタルを素手で触ると指がピリピリ痛くなるのです。そして思い切り荒れます。今思えば強アルカリ性なので当たり前ですよね。直接覆髄法を行うときにはいつもそのことを思い出しています。
直接覆髄法についてのブログはこれで一旦完結です。次回からはまた新しいテーマでブログを書きたいと思います。
ではまた!
〒108-0074東京都港区高輪3-7-8西町ビル3階A
TEL03-5422-7322
保科歯科医院