歯髄温存療法⑫|品川、高輪台の歯医者|保科歯科医院|矯正歯科、噛み合わせ

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歯髄温存療法⑫|品川、高輪台の歯医者|保科歯科医院|矯正歯科、噛み合わせ

歯髄温存療法⑫

こんにちは!

絶好の行楽日和となって週末ですが皆様はいかがお過ごしでしょうか。保科歯科医院高輪は本日9/14(土)は通常通りに診療を行っておりますのでお困りのことがございましたらお気軽にご連絡ください。

さて本日のブログは歯髄温存療法の12回目です。前回に続きMTAセメントの特徴について解説致します。MTAセメントの特徴は下記の通りです。

1カルシウムイオン徐放性による硬組織誘導能

2強アルカリ性による殺菌作用

3硬化膨張性による緊密な封鎖性

4高い生体親和性

5造影剤添加によるX線不透過性

6造影剤の経年変化による変色性

1の硬組織誘導能については前回解説いたしました。2の強アルカリ性による殺菌作用についてですが、アルカリ性とは㏗7.0以上のものを言います。MTAセメントの㏗は12.5なので強アルカリ性であるのです。キッチンハイターと同じくらいの㏗なのでだいぶ高い値だということが分かるかと思います。もちろん永続的に強アルカリ性というわけでなく経時的に中性に近づいていきますが。このハイターレベルの㏗では虫歯菌や歯周病菌は生きていけません。これが殺菌作用ということです。歯髄を保護しながら殺菌効果も期待できるセメントなのです。

そして3の硬化膨張性による緊密な封鎖性についてですが一般的に歯科材料は硬化時に収縮するものがほとんどです。スーパーボンド等のレジン系材料がその最たるものです。これを重合収縮と呼びますが、臨床ではデメリットとして扱います。直接覆髄法において覆髄剤が収縮してしまうことは封鎖性が悪いのと同じことなのです。封鎖性が悪いということは虫歯菌や歯周病菌がまた入り込む可能性があるということですので、歯髄に感染するリスクが残ることになります。これを解消しているのがMTAセメントなのです。MTAセメントは硬化時に収縮ではなく膨張してくれるのです。パチパチに膨らんでくれるので覆髄部の封鎖性が向上します。そのため歯髄の再感染のリスクは大きく軽減されるのです。これも嬉しい特徴の一つですね。

次回は残りの特徴について解説したいと思います。

ではまた!

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