歯髄温存療法⑪
- 2024年9月13日
- 虫歯治療
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。
今週と来週は三連休の方も多いのではないでしょうか。日本人は働きすぎだと昔から言われていますが本当にそう思います!最近は働かなさすぎの人もいますが。。生活の大半は労働になってしまいますが、しっかり休んで息抜きをして心も身体も健康でいないといい働きができないものです。
さて本日のブログは歯髄温存療法の11回目です。今日は直接覆髄法で使用しているMTAセメントの特徴について解説します。MTAセメントの特徴は下記の通りです。
1カルシウムイオン徐放性による硬組織誘導能
2強アルカリ性による殺菌作用
3硬化膨張性による緊密な封鎖性
4高い生体親和性
5造影剤添加によるX線不透過性
6造影剤の経年変化による変色性
ざっとこんなところです。5と6はMTAの特徴というよりは塩化ビスマスという添加物の特徴なのですが私が使用しているMTAセメントには添加されているものなので記載しました。6の変色については審美的にデメリットです。一部のメーカーからは塩化ビスマス以外の造影剤を添加しているMTAセメントを販売しているのですがセメント自体の物性に疑問があるため保科歯科医院高輪ではそれらを使用していないのです。現在の物性を維持したまま塩化ビスマス以外の造影剤を添加する新製品を誕生を心待ちにしております。
1の硬組織誘導能は直接覆髄法において最も重要な特徴です。露髄面にバリア機能である修復象牙質(デンティンブリッジ)の形成を促す役目を担っています。MTAセメントのカルシウムイオンと口腔内のリン酸が結合しリン酸カルシウムの結晶となります。この結晶が硬組織なのです。硬組織誘導能のおかげで歯髄の保護は成功します。スーパーボンドでの直接覆髄法では硬組織誘導は起こりません。私がほぼ1択でMTAセメントを使い理由の一つです。
ではまた!
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保科歯科医院