歯髄温存療法⑨|品川、高輪台の歯医者|保科歯科医院|矯正歯科、噛み合わせ

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歯髄温存療法⑨|品川、高輪台の歯医者|保科歯科医院|矯正歯科、噛み合わせ

歯髄温存療法⑨

こんにちは!

保科歯科医院高輪の保科です。

残暑中ではありますが湿度はだいぶ低くなってきましたね。風も秋風だと感じている今日この頃です。

さて本日のブログは歯髄温存療法の9回目です。前回から直接覆髄法について解説しておりますのでその続きとなります。保科歯科医院高輪では神経まで到達するような深い虫歯の治療の際には積極的に直接覆髄法を選択します。言い換えると抜髄を選択することはありません。抜髄については精密根管治療のブログで解説しておりますが、神経を取ってしまった歯は歯自体が脆くなります。脆くなって破折を起こすのです。破折の程度にもよりますが多くの場合抜歯せざるを得ないと診断します。そのため破折をいかに回避するかが重要になるのです。もちろん咬み合わせの問題で破折することはあります。これは神経が生きている歯でも起こり得ますが、やはり神経が無い歯のほうが頻度は高いのです。ですのでまずは神経をいかしたまま治療するということはとても大切なことなのです。

話を戻しますね。直接覆髄法はしっかりやれば90%以上の成功率を誇る治療法ですがしっかりやらなければもちろん成功率は下がります。歯科医師の手技や知識も当然重要ですが事前準備のほうがもっと重要になります。

1口腔内の衛生環境状態

2覆髄剤の選択

準備とは大別するとこの2つです。まず1つ目は口腔内環境は整っているのかという問題です。治療する口腔内の汚れがひどい状態で虫歯治療をするということは「どぶ川の中で開腹手術をするのと同じ」です。治療しているそばから細菌感染を起こしてしまいます。特に露髄部に感染を起こしたら直接覆髄法は失敗に終わります。そのためにまず口腔内の衛生的な状態にもっていかなくてはなりません。患者さんの中にはときどき「なぜ虫歯治療を希望しているのに歯のクリーニングを優先するのか??」と質問される方がいます。お気持ちは分かります、私自身も歯科医師になる前ですが内科をはじめ他科を受診した際に同じ気持ちになったことがありました。コンビニやスーパーマーケットなら欲しいものだけを直ぐに買えばいいし買えるのですが医療機関である歯科医院ではちょっと違うのです。虫歯を治すのも歯科医院ですが虫歯になった原因を検査するのも歯科医院です。そして虫歯を治した歯を長期的に保存し機能させるのも歯科医院の仕事なのです。さらに虫歯だけでなく歯周病や顎関節症、歯並び咬み合わせの治療、審美治療や口腔がんまで歯科は診療領域が広いのです。どの領域でも治療に入る前には検査を行い原因を特定し口腔内環境を整えることが重要なのです。歯科治療は内科的治療ではなく外科的治療がほとんどです。抗菌薬や鎮痛薬を処方することもありますがそれらの薬の多くはは病気を治すために処方せれるのではありません。対処療法または予防として処方されるのです。

衛生的な口腔内が直接覆髄法を成功へと導くカギなのです。しかしどんなに頑張ってキレイにしても生きている人間の口腔内を完全な無菌状態にすることはできません。そこで治療する歯に対しラバーダム防湿という処置を行います。ラバーダムというゴム製のマスクを装着して露髄部に唾液が混入するのを防ぎます。またラバーダムをすることによりアルコールやヨード系の消毒剤を漏らす心配なく歯面に貼付することができるのでさらに衛生環境を向上させることができます。もちろん虫歯菌に感染している歯質は全部削るわけですから直接覆髄法を行う直前の歯はほぼ無菌化されていると言っても過言ではありません。

今回はブログが長くなってしまったのでこの辺で終わりにしたいと思います。

ではまた!

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