歯内療法㉜
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。12月に入り寒さも本格的になってまいりました。インフルエンザも猛威を奮っております。皆様も体調には十分お気を付けください。
さて本日のブログは歯内療法の32回目です。イオン導入法の続きを解説していきます。前回書いた通りイオン導入法の作用機序はまだ説の範囲にとどまっています。100年以上前から存在する方法なのに作用機序が解明されていないのは研究者があまり興味を持たない分野になっているのかもしれないですね。科学的な作用機序の解明は私のような臨床歯科医には難しことです。大学の研究者に期待するしかありません。Zn⁺⁺が細菌の細胞膜と結合することによって根管壁との付着を緩めて根管洗浄の際に洗い流しやすくしているではないかという説もあります。また消毒機序にヨードは関係していないという説もあります。私はヨードも消毒作用に寄与していると思っていますが、水酸化カルシウム製剤のように接触している所にしか消毒効果はないのかと思っています。揮発して効果を発揮する薬品ではありませんからね。I⁻(ヨウ化イオン)はイオン導入法されたいない説がありますので象牙細管へはZn⁺⁺が歯冠部および根管内の表層象牙質にはI⁻(とZn⁺⁺)が消毒効果を発揮しているのではないかと想像しています。
そしてイオン導入法の良いところは次亜塩素酸ナトリウムや水酸化カルシウム製剤に比べて安全なところです。化学火傷や下顎管への漏洩による神経障害も起こりにくいです。歯科治療において安全であるということは重要なことですよね。ただでさえ歯科治療というのはというか全ての医療行為が身体に対し様々な危険リスクをはらんでいます。特に歯科は口腔内という狭い範囲の外科的処置が多いので安全性の確保は必要条件となるわけです。
ではまた。
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