歯内療法㉖
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。
10/20(月)です。昨日は日本歯内療法学会の認定臨床研修会なるものに参加してまいりました。この研修会は日本歯内療法学会の専門医になるために必須のものでここ3年ほど毎年受講しています。近年では開業医が専門医の資格を取得するのはややハードルが高いのですが患者さんにより上質な医療を提供できるように取得をめざしております。
さて本日のブログは歯内療法の26回目です。前回の続きで貼薬に水酸化カルシウム製剤を使用しない理由の詳細を解説していきます。今回は④からとなります。➀~③は前回のブログにて解説してあります。
④長期間の貼薬で象牙質を脆弱化させてしまう。
→これは意外なことなのですが、数か月にわたる水酸化カルシウム製剤の貼薬で根管内の像画質が脆弱化してしまうという論文報告があります。歯内療法学会等でもときどきその話を耳にします。水酸化カルシウム製剤って直接覆髄法や間接覆髄法にも使用され、その際修復象牙質(デンティンブリッジ)の生成に寄与すると教科書等に書いてあるため象牙質にとって味方的な存在なのかと思っていたのですが。。違うようです。
⑤組織為害性があるため根尖孔からの押し出しは厳禁である。
→水酸化カルシウム製剤は水分と混ざると強アルカリ性になりフリーラジカルを発生させて殺菌効果を発揮しますが、根管外に漏れ出してしまうと歯周組織を構成する細胞にダメージを与えてしまいます。メーカーは注意書きとして根管外への押し出し厳禁と記しています。なので多くの歯科医師は安全のため根管内の上部のみに貼薬を行います。そうすると前回解説したように接触部にしか殺菌効果がない水酸化カルシウム製剤は根尖付近に到達しないため、根尖部や根尖外の消毒はできないということになります。
⑥除去が困難。
→水酸化カルシウム製剤はペースト状なのですが根管壁にこびりついて交互洗浄程度では洗い流せません。超音波チップなどを駆使して物理的洗浄で除去します。メーカーでは水酸化カルシウム製剤を除去するためのクエン酸系の薬剤を販売している始末です。薬品を洗うためにまた別の薬品が必要になるというわけです。メーカーは二重で儲かるからいいかもしれませんが。。
以上の理由から保科歯科医院高輪では根管貼薬剤として水酸化カルシウム製剤は使用しておりません。
ではまた!
〒108-0074東京都港区高輪3-7-8西町ル3階A
℡03-5422-7322
保科歯科医院高輪HoshinaDentalClinicTakanawa【港区/高輪/白金/品川】