歯内療法⑲
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。9/5(金)です。台風の影響で朝から雨模様の高輪ですね。各地で線状降水帯が発生していて豪雨となっている地域の皆さんのおかれましてはご注意ください。
さて本日のブログは歯内療法の19回目です。今日は「根管形成の3要素」について解説していきます。根管形成の3要素とは私の所属するスタディーグループの講師である小嶋壽先生に教わった歯内療法の臨床的な考え方です。ちなみに中心位を教わったのも小嶋壽先生からです。言わば臨床の師ですね。
根管形成の3要素
・肉眼治療
・近心(頬側)操作
・直線形成
以上が3要素です。一つずつ解説していきます。まず肉眼治療ですが、これは目で見て治療するということです。当たり前だと思われるかもしれませんが治療部位を見て治療するのと見ないで治療するのとでは正確性が全然違います。虫歯治療や歯周病などは普通目で見ながら行いますよね。しかし根管治療になると歯の中の細い根管が相手ですので見えずらいんです。なので頭の中で教科書やレントゲンなどの画像のイメージで治療が進んで行ってしまうことがザラにあるのです。これはマイクロスコープの有る無しとは関係ないのです。もちろんマイクロスコープがあれば根管内を拡大して見ることができるのでそれはそれで重要なことなのですが、マイクロスコープが無い時代から見て根管治療をすることが重要であると説かれていました。見て治療するためには「見える状態」を術者が作り出さなければなりません。教科書や最近の雑誌に載っているような小さな髄室開口ではだめなのです。MIコンセプト(ミニマルインターベンション)は根管治療には不向きな考え方なのです。しかし昨今では根管治療でもMIコンセプトが正義であるかのような風潮になっていて私は憤りを感じています。確かに歯質の削除量を抑えるのはCR充填にだけはいいかもしれません。しかし根管治療を行った歯には支台築造を行いクラウンを被せるのがベストなはずです。であれば髄質開口時の歯質の削除量を抑えたところであまり意味が無いのです。逆に小さい狭い入口のまま治療を進めるほうがよっぽどリスキーなのです。見えないしファイル破折のリスクもあるし洗浄できないし根管充塞もやりにくくなりますよね。なんてたって入口が狭いんですから。ここ重要なところなので次回に回します。
ではまた!
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