歯内療法⑪
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。だいぶ久しぶりのブログになってしまいました。7月は日本歯内療法学会の総会学術大会に参加したりインプラントメーカー主催の講演会に参加したりが重なりブログを書くのが疎かになってしまいました。学べるときにしっかりと学びそれを日常臨床に還元することが歯科医にとって大切なことだと思っています。最新の知見や技術がどんどんアップデートされていくのが医学です。10数年前に大学を卒業しましたがその当時学んだことが半分ぐらいは刷新されています。学び続けなければならないのは歯科に限ったことではないですけどね。
さて本日のブログは歯内療法の11回目です。前回の続きで可逆性歯髄炎の治療法について解説したいと思います。少し歯科医療従事者向けの内容のため回を増すごとに専門用語が増えていきます。歯科関係以外の人は読んでいても分かりづらいかもしれません。申し訳ないですがよろしくお願いします。復習ですが可逆性歯髄炎とは治る見込みのある=歯髄炎を温存することが可能な歯髄炎です。言い換えると抜髄は適応ではないということです。可逆性歯髄炎には歯髄充血や漿液性(単純性)歯髄炎など露髄を伴わないものが多くあります。虫歯があれば虫歯を除去し歯髄鎮静効果のあるセメントで仮詰して経過観察を行い、疼痛症状が治まっていたら被せ物を作製に入ります。虫歯がないのに歯髄炎の症状がある場合があります。多くの場合は咬み合わせに問題があります。以前解説した中心位での早期接触が原因であることが予想されます。そんなときはまず中心位へ下顎を誘導し、患歯と早期接触の部位が一致しているならば咬合調節を行い早期接触を除去します。就寝時のブラキシズムにも気を配らなくてはいけません。咬合面や切縁にファセットが認められる場合はスタビライゼーションタイプのナイトガードを装着してもらいます。ナイトガードだけで歯髄症状が治まるようであれば補綴治療までは必要ないかもしれません。
問題なのは虫歯除去中に露髄をしてしまうケースの歯髄治療です。次回は露髄を伴う歯髄炎の治療法について解説致します。
ではまた!
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