詰め物の材料⑯
- 2025年5月9日
- 被せ物治療
こんにちは!
保科歯科医院高輪の保科です。
ゴールデンウィークも終わり梅雨入りまでの爽やかな季節となりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて本日のブログは詰め物の材料の16回目です。今日はセラミックスについて解説していきます。セラミックスにもいくつか種類があるのですが歯科の詰め物や被せ物で多く使われている代表的なセラミックスである二ケイ酸リチウムを主成分としたe.maxという製品について解説します。いわゆるガラスセラミックスです。e.maxは製品名ですので本ブログではセラミックス記載します。セラミックスのイメージって陶器やガラスです。硬くてツルツルで変形しない材料です。色も無色透明から色素を入れていかようにもできる優れものです。形態の加工もしやすいです。どんな形も再現できます。日常でもお茶碗や窓ガラスなど身近にある材料ですよね。セラミックスのメリットデメリットは下記の通りです。
1.審美性が高い。
2.プラークの付着が少なく衛生的。
3.金属アレルギーを起こさない。
4.メタルタトゥーを起こさない。
5.耐久性は低い。
6.適合性は白金加金に劣る。
7.保険が効かない。
1~4までがメリットで5~7がデメリットとなります。7の保険が効かないは金銭的なところなので物性とは関係ないため材料としてメリットが4つデメリットが2つといったところでしょうか。単純に考えるとメリットの方が多い材料と言えるので良い材料の部類に入ります。もちろん歯科材料としてどこの医院でも採用されている材料なので悪いってことはないんですけどね。患者さん的にはなんと言っても審美性が高いってところがセラミックスを選択する最大の要因になっているのではないでしょうか。前述の通りセラミックスは無色透明から色素を入れて色付けできるのでどんな色も再現できます。ですので天然の歯質色を患者さん一人ひとりに合わせて再現できるのです。ぱっと見はどこがセラミックスでどこが歯質か区別できないくらい自然な色合いを出せます。これは金属ではできないことですね。ジルコニアよりも色調再現度は高いです。続いて衛生面ですがジルコニア同様表面の性状はツルツル仕上げです。なのでプラークの付着がほとんどないです。これは患者さん的にも歯科医師的にもありがたいことですね。セラミックスが虫歯予防や歯周病予防に貢献していると言っても過言ではありません。セラミックスは金属ではないため金属アレルギーがある人にも安心して装着できる材料です。また銀合金やアマルガム水銀でよく起こっている歯肉への黒ずんだ色素沈着いわゆるメタルタトゥーも起こしません。生体に安心な材料なのです。ここまでがメリットです。さてデメリットですが白金加金やジルコニアと比較すると耐久性が低いのがセラミックスの特徴となってしまいます。お茶碗やガラスのコップをイメージしてください。もちろん硬いのですが誤って床に落としたりするとパリンと割れちゃいますよね。セラミックスの詰め物も同様です。強い力がかかると割れてしまうのです。なので保科歯科医院高輪では力のかからない前歯や小臼歯にしかセラミックス治療は行いません。大臼歯は白金加金またはジルコニアとなります。最後に適合性についてですが正直言って白金加金と比べてしまうと悪いです。白金加金の適合性が抜群に良いのいたしかたないのですが、適合性の差は歴然としています。適合性のあまい部分をセメントで埋めて補ってる感じです。ジルコニアよりは適合性はいいかなってとこです。
結論としてはデメリットを上回るメリット数があるので前歯から小臼歯までならばオススメできる材料であります。
ではまた!
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